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漢字ページのFlashクイズ 「頓知・苗字編」 の内容解説です。
一部問題にしづらかったものも、この中に豆知識として含めています。
言葉遊びのような、そんなお洒落な漢字を集めてみました。
通常の辞書では、正しい読み方として認められてないものですね。

各時代により「こういった読み方や意味があるんだな」
それくらいのイメージで楽しんでいただければ幸いです。
私も全くの素人なので、今回クイズの問題作成を通じていろんなことを学んでます。
漢字は、おもしろく奥深いですね☆

一番最後に、「訓」と「熟語」について簡単に触れてます。

参考にさせていただいたサイトも載せてますので、そちらもご覧ください。

問題 読み 意味や出典 up
海海海海海
あいうえお
海女=あま
海豚=いるか
海胆=うに
海老=えび
海髪=おご(おごのり) と、

海の文字に追加することで「あいうえお」と表せるからとか。

出典は、万葉集。万葉の遊び言葉みたいですね。
蘇我倉山田石川麻呂が詠んだそうですが…
和歌そのものは見つかりませんでした。
また探してみます。


ありのみ
「なし」は縁起が悪いので、「ありのみ」に言い換えたとか。
出典は落語だそうです。

あたりめ 「するめ」は忌み言葉なので、「あたりめ」へ。
出典は落語。

洋犬 かめ 外国人が犬を「Come Here」と呼んだため。
なまって「かめ」……。

春夏冬中 あきないちゅう あきがないから。「あきない」→「商い」
お店の看板などで見かけることも?。

春夏秋冬 ねんじゅう いちねんじゅう、という意味ですね。落語や講談で使われるとか。
二六時中 しょっちゅう 「2×6=12」 昔は12時間制…というか、夜はあんまり活動しませんもんね?
冷遇る ふられる 遊郭で使われていた言葉とか。
吐月峯 はいふき 竹筒で作った昔の灰皿だそうです。
静岡の吐月峯(とげっぽう)という地名が由来だとか。
そう言う名前のお菓子もあるそうですね。

九寸五分 あいくち 約28.5センチメートル。
そのものずばり、匕首(あいくち)といわれる刀の長さです。江戸言葉だとか。

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六ヶ敷い むつかしい そのまんま読めますね。当て字。
明治時代の小説に、よく使われているとか。

八釜敷い やかましい これも当て字。
これも、明治時代の小説によく使われるそうです。

四方八方 よもやま もともとは「よもやも」が、音変化したとか。
通常は「四方山」が熟字訓で、正解としてはこちら。

噴飯す ふきだす こういう状況よくあります。
食事中のテレビは時に危険。

蒲柳 きゃしゃ 蒲柳は「カワヤナギ」カワヤナギはすぐに葉が落ちて弱い植物だとか。
通常は「ほりゅうの質」と呼んで、ひ弱な体質を指します。

はる 万葉時代の義訓。
義訓とは、「漢字漢語の意義によって訓を当てるもの」だそうです。「その場限りの当て字」を指すそうです。
万葉仮名が広がり始めた頃で、日本語としての体系ができはじめる頃の特異的なものなんでしょうね。

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ふゆ 万葉時代の義訓。
未通女 おとめ 万葉時代の義訓。通常は、「おぼこ」と読みます。
古昔 いにしへ 万葉時代の義訓。通常は、「こんじゃく」あるいは「こんせき」
二二 ・ 重二 万葉時代の言葉遊び?「ににんがし」
十六 しし 万葉時代の言葉遊び?「しし じゅうろく」
二五 とを 万葉時代の言葉遊び?「にご じゅう(とお)」
八十一 くく 万葉時代の言葉遊び?「くく はちじゅういち」
名津蚊為 なつかし 万葉時代の言葉遊び?当て字で「なつかし」
山上復有山 いで 万葉時代の言葉遊び。山の上に山がある…
つまり「出」この時代の人たちは洒落てますね。

子子子子子子子子子子子子 ねこのこのこねこ ししのこのこじし
「猫の子の子猫、獅子の子の子獅子」
「子」は、「ね」「こ」「し」と読めるから。

これを解読したのは、平安時代の歌人「小野篁(おののたかむら)」
内裏にたてられた看板の「無善悪」を嵯峨天皇が篁に読むように命じた。篁は「さが(嵯峨)なくばよからん」と読んで、嵯峨天皇が激怒。看板を立てた犯人扱いされた篁は潔白を証明するために、自分は何でも読めますと主張。
そのときに嵯峨天皇が出した問題がこれ。これを見事に読んだ篁は、処分を免れたとか。宇治拾遺集にこの逸話が載っているそうです。

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人在草木間 目在竹木傍 ちゃばこ これは漢文ですが。くさかんむりと木の間に人を入れると「茶」 たけかんむりと木のそばに目を置くと「箱」すごいなぞなぞですね。
林下祖師現半身 水辺尊者隠頭脚 きんしゅ これも上の茶箱と同じタイプです。林の下に、祖の半身である示。つまり「禁」。水辺はさんずい。尊の頭と脚の寸を隠すと西。つまり「酒」。合体させると「禁酒」ですね。
中国の寺院の看板だそうです。





苗字編(敬称略) up
にのまえ 「二」の前だから。
したなが したの線の方が、長いから。
いちじく 一時で「く」だからとか。なぞなぞみたいですね。
九十九 つくも 百にもうすこしで着くから
月見里 やまなし 山がない里は月が見えるから
小鳥遊 たかなし 天敵の鷹がいないところでは、小鳥も遊べるから。
栗花落 つゆり 栗の花が落ちる頃、つゆいりするから。
臥龍岡 ながおか 竜が寝ていると、長い丘に見えるから。
十七夜月 かのう 17番目の月は願いが叶うという言い伝えがあるから。
一尺八寸 かまつか 鎌の柄(つか)が、一尺八寸だったため。
四月一日
四月朔日
わたぬき 暖かくなり、旧暦の四月朔日に着物の綿を抜いたことから。
八月一日
八月朔日
ほづみ 旧暦の八月一日あたりが、稲穂を摘む頃だから。
一番合戦 いちまかせ 河の浅瀬である「一番ヶ瀬」の当て字とか
一口 いもあらい ひとつの出口から多くの人が出ようとしたときの状況を指して。




幽霊苗字(存在しないと言われているもの)
*苗字本などに載っていることもあるとか。下記サイトを参考にしました。
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十二月一日 しはすだ 「師走だ!」ありそうですが、ない名前だとか。
言語道断 てらくだ 「ていたらくだ!」あたりでできたんでしょうか?
これも存在しないとか。

東西南北 よもひろ 「世も広し」ありそうですけどね。
春夏秋冬 ひととせ 「一歳」これもありそうですが、存在しないとか。
八月十五日 なかあき 中秋の名月が由来らしいですが。
歌人に名前がありそうですが、幽霊苗字とか。

十二月三十一日 ひづめ 年末で日がつまっているから…やはり幽霊苗字。
つなし 一から九までは、ひとつ・ふたつ…ここのつと、「つ」がつくのだけれど、十だけはつかないから、「つなし」
おもしろい説ですが、幽霊苗字だそうです。





 漢字の成り立ちや熟字について
漢字は、中国から伝来した「表意文字」です。

そのため、当時の日本人は中国語の音の響きにあわせて漢字を読んでいた。これが、いわゆる「音読み」。
しかし、音読みだとわかりづらいものも多い。
そこで、日本語の意味をあてはめた。これが「訓読み」です。
その後、万葉仮名の普及や国字が増えたことにより、日本語での漢字文化ができあがったものと思われます。
中には、「国訓」と言われる、本来の漢字の意味を離れた日本独自の読み方を指すものもあるらしいです。

辞書に載っている正しい読み方を、たぶん(?)「正音」「正訓」と言います。

熟語は、主にその「音読み」「訓読み」を組み合わせてできてます。その中の例外が、「熟字訓」と「当て字」

「熟字訓」とは、二字以上でひとまとまりになっている漢字に、日本語の訓をあてたものを指すそうです。用例は、海女(あま)とか吹雪(ふぶき)土筆(つくし)など。漢字自体も読みも分解できないタイプのものとなります。
植物などは漢名由来のものが多ですね。どれだけ流布したかがポイントなんでしょう。個人的な意見ですが、現在の中国語読みとされる言葉も、広く一般化すれば熟字訓になるのではないかと思われます。

「当て字」は、漢字本来の意味をはなれて、その言葉の音読みや訓読みの一部を日本語に当てたもの。三味線(しゃみせん)や波止場(はとば)などがそうだとか。外国語の国名などは、当て字ですね。

それとは別に「義訓」というものがあります。万葉集の言葉など、その文章の中でだけ意味が通じる…そういった読み方になるそうです。そして、「戯書」これは、義訓よりも遊びの要素が強いとか。これらが転じて、のちに「正訓」となることもあるそうです。

漢字の読みを探していると、正しい読みなのか、中国語読みなのか。今は使われてない言葉なのか。そこを迷うことも多いのですが、できるだけ現在の日本語体系に忠実な問題を作ることができればいいなと思います。

ここにご紹介したのは、「言葉遊び」系の、日本語らしい洒落たものです。いずれは、辞書に載るかもしれません(?)が、とりあえず今はご参考程度にお楽しみくださいませ。

間違った記述に気づかれた方は、お手数ですが、 こちらまでご連絡いただけますと大変嬉しいです。

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参考にさせていただいたサイトなどなど
サイト
http://homepage2.nifty.com/kazn/manyou.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%93%E8%AA%AD%E3%81%BF
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%9F%E5%AD%97%E8%A8%93
http://home.catv.ne.jp/ss/morioka/myoji/
http://www001.upp.so-net.ne.jp/yasuaki/misc/lang/lange5.htm
http://kakeizusya.com/html/mezurasiinaeji.htm

書籍
「ナンドクー難読漢字自習帳」 松井高志著 バジリコ株式会社
「漢検 漢字辞書 第一版」 財団法人 日本漢字能力検定協会
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