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「花見」とは、「花、特に桜の花を眺めて楽しむこと」。奈良時代の「花」は主に梅のこと。しかし、平安時代になり、「花」といえば桜を指すようになりました。短い期間に一斉に咲き誇り、潔く散る。その姿に共感を覚える人は多いでしょう。



「願はくは花のしたにて春死なん そのきさらぎの望月の頃」西行
「人はいさ心もしらずふるさとは花ぞむかしの香ににほひける」紀貫之
「久方の 光のどけき 春の日に しづごころなく 花の散るらむ」紀友則
「もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし」前大僧正行尊
「風さそふ 花よりもなほ 我はまた 春の名残を いかにとやせん」浅野内匠頭
「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる。これは信じていいことだ」梶井基次郎

桜にまつわる歌は、無常観漂うものが多く、琴線に触れる言葉が多いですね。

さて、「桜」といえば真っ先に浮かぶのが染井吉野。



一斉に開く淡紅色の花が、美しく咲き、美しく散る。お花見も、染井吉野のピークに合わせ、まさしく「桜」の代名詞である。染井吉野が散ると、「桜」は終わった気になるんですが…染井吉野は、実は園芸種なんだそうな。そして、日本全国に桜は400種類もあるらしい。これは興味深い。…というわけで、桜について調べてみよう。
注・画像のあるものは載せてますが、同定はいまいち自信はありません。ご参考程度にとどめていただけると幸いです。

桜の自生種は、「ヤマザクラ群」「マメザクラ群」「チョウジザクラ群」「エドヒガン群」「カンヒザクラ群」「ミヤマザクラ群」に大別される。なお、よく使われる「サトザクラ」は主にオオシマザクラから派生した園芸種のことを指すそうです。

「ヤマザクラ群」のなかに、「ヤマザクラ」「オオヤマザクラ」「オオシマザクラ」「カスミザクラ」がある。

ヤマザクラは、主に関東から南日本に自生。染井吉野が終わる頃に咲き始める。花と同時に葉も開く。花は中輪で、白っぽく、葉は茶色であることが多いとか。
↓ヤマザクラ


オオヤマザクラは、主に北海道・東北などの寒い地域に自生。花と同時に葉も開く。葉も花も山桜より大輪。花は濃いめのピンクで、葉は茶色。北海道では、エゾヤマザクラと呼ばれるらしい。
↓下の写真は、北海道で撮ったエゾヤマザクラ。葉の色が、すこし記述とは違うようですが、花は綺麗なピンクですね。


↓下の写真は、同じく北海道で撮った桜。八重でもあり、「サトザクラ」と呼ばれる園芸種かもしれません。ただ、色と葉の感じが似てるかなと思って載せてみました。


オオシマザクラは、伊豆諸島特産の桜。品種改良はオオシマザクラが片親であることが多いらしい。花と葉はほぼ同時。花は白、葉っぱは緑で、遠くから見ても目立ちますね。
↓オオシマザクラ


↓散り際は中心部が桃色がかるとか。きれいですね。これもオオシマザクラ。


カスミザクラ…残念ながら画像無し。花弁同士が離れていて葉柄に毛があるとか。小さめの花でまばらに咲くので霞のようにみえるとか。ヤマザクラより花期が遅め。葉っぱは緑で、花は白から淡紅色。


「マメザクラ群」伊豆・箱根あたりに多いとか。高山にも適応しやすいとのこと。花は小さく、花の色は白から淡紅色らしいです。

「エドヒガン群」小さな一輪咲きの花が葉よりも先に咲く。色は白から淡紅色まで幅広い。樹皮は桜には珍しく、縦割れだとか。ベニシダレ、ヤエベニシダレもこの仲間らしいです。
ソメイヨシノは、オオシマザクラとエドヒガンの交配になるので、ソメイヨシノだと思ってみている桜が実はエドヒガン…なーんてこともありそうです?
↓ヤエベニシダレ




↓シダレザクラ…別名イトザクラ。これもエドヒガンの変種です。


「カンヒザクラ群」中国・台湾に自生。下向きに緋色の華やかな花をつけるとか。開花時期は早く、二月頃。
↓カンヒザクラと確定はできませんが…一応こんな感じかもかも。


「ミヤマザクラ群」寒冷地に自生。白い丸っこい花びらだとか。ブドウのような房状の花が咲き、一瞬桜かどうか迷うとか。

「チョウジザクラ群」花が丁の字に見えるとか。
こうやって探してみると、確かな画像って全然無いですね。来年こそ、真剣に探してみたいです。

では、園芸種を。
まずは、桜の女王「ソメイヨシノ」 エドヒガンとオオシマザクラの交配。



↓ 桜が見守る子供たち


「カバザクラ」 エドヒガンとヤマザクラの交配。
樺桜で、思い出すのは源氏物語。「樺桜の君」とは、源氏がこよなく愛した紫の上のことです。源氏の子である夕霧は、台風の日にふとしたことで紫の上を垣間見ます。春を愛した紫の上は、源氏の君の愛だけを頼りに生きつつ、けして正妻にはなれなかった。そう思うとこの花が哀しく見えますね。
↓美しくたおやかで、でもはかなげな…そんなカバザクラ。


「ウコン」漢字で書くと鬱金。下向きの花で、逆光になります。この黄色を撮るのは難しいですね。





↓「カンザン」漢字で書くと関山。サトザクラ(人によって作られた桜)の代表品種。近くの人に名前を教えてもらったので、これは確かだと思いますが。色々検索すると、イメージが違うものも多いですね。お花って難しいです。


さて、おまけ。
↓北海道のサトザクラ


↓こちら北海道の山に自生していたもの。八重のオオシマザクラに見えますが…北海道では、寒さに強い「タカネザクラ」や「チシマザクラ」が多いとか。その中のどれなのかは判然としませんが。(どれもこれも違うかも^^;)


↓洞爺湖をバックに


↓こちらも北海道の山で。おしべめしべが長くて、花の感じが違いますね。


↓これは北海道で撮ったもの。ウワミズザクラに見えますが…微妙に違う…???


↓これは、関東でのサトザクラ


↓早咲きの河津桜


↓秋にも咲く桜…十月桜。花期は春と秋。秋に見るとどことなく淋しげなんですが、春先の花は生き生きしてますね。


一口に桜といっても、色々ですね。来年の春には、種別をはっきりさせたいと思います。一度、吉野の山を見てみたいです。きれいなんでしょうね。


「さまざまのこと おもいだす さくらかな」 芭蕉